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大河原町の観光PRキャラクター「さくらっきー」

人口構成

人口:23,660人(高齢化率:13.9%)(令和4年1月1日)       

後期高齢者被保険者数:3,308人(令和4年1月1日)

取組の経緯

〇高齢者が加入する医療保険は、74歳までは国民健康保険又は社会保険に加入し、75歳以降は、後期高齢

 者医療保険へ替わります。国民健康保険や社会保険と同様のサービスを実施するため 法整備 が行われ

  ました。その後期高齢者医療担当である健康推進課は後期高齢者健康診査の実施が主となっており、健

 診データを活用したりデータを福祉課と共有することはできていませんでした。

〇高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施事業を行う体制が整えられ、大河原町においても高齢者が

 さらに健康的な生活ができるよう令和2年度から取り組むこととなりました。

実施に向けた体制整備

 健康推進課・福祉課の保健師、管理栄養士、歯科衛生士、事務職等で高齢者の健康課題を考え、改善、

 維持ができるかを話し合いました。

〇医師会をはじめとした関係者との事前調整

 事業を実施するにあたり、医療関係団体(又は各団体)の柴田郡医師会、仙南歯科医師会及び薬剤師会に

 事業概要について説明するとともに、協力をお願いしました。

 具体的には、通いの場において行う健康教育や健康相談、糖尿病性腎症重症化予防事業を行うこと、また

 かかりつけ医がいる場合については、連絡票を用いて情報連携を行うことを説明しました。大河原町では、

 これまで国保加入者への糖尿病性腎症重症化予防対策において、保健指導指示書及び報告書を活用した医

 師会との連携が定着していたという基盤があったため、本事業においての理解は得られやすいものでした。

庁内の体制

〇高齢者の保健事業と介護予防等の一体的実施に関連する主な担当課は、健康推進課、福祉課となっていま

 す。

〇保健師は健康推進課と福祉課に配置されており、日頃から情報共有、共催事業等で組織横断的な連携をして

 います。

〇保健事業の担当は健康推進課と福祉課となっています。管理栄養士、歯科衛生士は健康推進課に配置されて

 います。健康推進課では母子保健業務、国保の保健指導等の業務及び後期高齢者への栄養指導業務等を実施

 しています。福祉課では介護予防業務、高齢者福祉サービス等を行っています。

組織図

健康課題の把握

〇町民にとって必要な保健事業を展開するにあたり、KDBシステム(国保データベースシステム)等を活用し、

 データ分析、健康課題の把握を行いました。

 ※KDBシステムとは

  国保データベース(KDB)システムは、国保連合会が保険者の委託を受けて行う各種業務を通じて管理す

  る「特定健診・特定保健指導」「医療(後期高齢者医療含む)」「介護保険」等の情報を活用し、統計情

  報や「個人の健康に関する情報」を提供し、保険者の効率的かつ効果的な保健事業の実施をサポートする

  ことを目的として構築されたシステムです。

  保健師等が手作業で行ってきた健康づくりに関するデータ作成が効率化され、地域の現状把握や健康課題

  を明確にすることが容易となるものです。

<認定率について>

認定率グラフ 

<受給率について>

受給率グラフ

地域分析表

地域分析・検討結果記入シート【平成30年度~令和2年度】PDFファイル(157KB)

<KDBシステムから見た健康課題について>

データ

大河原町KDBデータの分析結果PDFファイル(446KB)

〇以上のデータから、大河原町は医療環境が充実しており、高齢者の健康意識が高いため、介護認定率が低い傾向であること

 がわかりました。

〇一方で、健康状態が把握できないかたが一定数いることや、高血圧・糖尿病で治療しているかたが重症化し

 ないための事業展開が必要なことがわかりました。(ハイリスクアプローチ)

〇75歳を超えるとフレイルリスクが上がるため、多職種が通いの場に介入し支援することが必要です。(ポピ

 ュレーションアプローチ)

 

 事業の具体的内容

〇高齢者の医療・介護・保健のデータ及び町独自のアンケート等を一体的に分析し、大河原町の高齢者の実態

 と健康課題を明確化し、高齢者の健康の保持増進と健康寿命の延伸を目的に、以下の(1)~(5)の支援を実施

 しています。

 (1) 糖尿病未治療者における受診勧奨及び糖尿病治療者への保健指導

  大河原町糖尿病性腎症重症化予防プログラムに基づき、受診勧奨を行っています。

  後期高齢者健診結果をもとに、重症化リスクの高い糖尿病治療者に対し糖尿病相談の案内を送付。希望者

  に対し、かかりつけ医と連携しながら保健師・管理栄養士による保健指導を行っています。

  検査結果、体の状態や指示カロリーに合った栄養指導を個別に行うことで、無理のない行動変容につなげ

  ることができています。

  糖尿病は自覚症状のないまま進行し、重症化すると合併症を引き起こします。3大合併症があり、視力障

  害・神経障害・腎機能低下を引き起こす可能性があります。合併症になるのを防ぐため、血糖値を改善・

  安定させると重症化を防ぐことができ、健康な日常生活を続けることができます。

 (2) フレイルリスクのあるかたに保健師・管理栄養士による保健指導

  大河原町栄養改善プログラムに基づきフレイルリスクの高いかたを抽出し、対象者に保健指導を行って

  います。ご本人のみではなくご家族にもアプローチしていくことで、食事だけではなく生活全体を見直

  したり介護予防事業等にもつなげるきっかけとなっています。

  ※大河原町栄養改善プログラムとは

   高齢者が日常生活において低栄養の予防や改善を通じて健康寿命を延ばし、自立した生活を目指すため

   に、低栄養が疑われる方の早期改善に努め、高齢者の健康増進と生活の質の向上を図る取組です。

  ※フレイルとは

   健康な状態と介護が必要な状態の中間の段階をいいます。

 (3) 健康状態不明者を把握し、必要なサービスにつなげる

  KDBシステム等から健診未受健者及び1年間医療未受診者、介護未利用のかたを把握し、町独自の健康

  状態アンケートを送付しています。

  アンケートの返送状況を確認し、返送がないもの及び返送があったものの継続支援が必要なかたに対し、

  医療・介護専門職2名で家庭訪問を行い、必要な健診・医療・介護サービスにつなげています。

 (4) 医療専門職が通いの場に出向き、健康教育や保健指導等を行う

  町内の通いの場に保健師・管理栄養士・歯科衛生士が出向き、フレイルを予防するための健康教育を複数

  回行っています。内容としては食事の1日の野菜摂取量の確認とみそ汁塩分測定を行い、アドバイスや改

  善点をお話しします。また、ごっくんチェックや唾液腺マッサージなどの実践を踏まえた講話も実施して

  います。

  了解が得られたかたにおいては、事前に健診・医療情報を確認した上で支援することで、未治療者を受診

  につなげたり、健診未受健者に健診勧奨を行うことができています。

 (5) 後期高齢者医療被保険者証交付時に医療専門職による健康教育を行う

  毎月実施している後期高齢者医療被保険者証交付時に歯科衛生士がフレイル予防のための健康教育を行っ

  ています。

  健康教育や集いの場に普段参加しないようなかたへも、節目の受給者証交付時にアプローチできる機会と

  なっています。

<通いの場の様子>

レインボー会

通いの場写真 

お問い合わせ先

 健康推進課


  TEL:0224-51-8623 FAX:0224-53-3818

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