大河原町は、古くより菓子づくりが盛んな町として知られています。その理由は定かになっていませんが、藩政時代に奥州街道沿いの大河原に大河原宿が設置され、宿場町を形成していたことが関係しているとも言われています。
昭和の時代には、小さなまちながらに製餡所が数件あり、菓子職人にとって菓子を作りやすい環境が整っていたことも理由の一つと考えられています。また、独立した菓子屋さんだけでなく、店を持たずに小さな工場で商いをする菓子屋さんも多くあったようです。
そのような菓子屋さんを支えていたのが「売り子さん」の存在。「売り子さん」は大きな風呂敷を背負い汽車に乗って、岩沼や白石、塩釜や福島まで、お菓子を売り歩いていたと言います。
大河原町のまち並みを楽しみながら散歩をしていると、あちらこちらに小さな菓子屋さんを見つけることができます。
それぞれのお店を覗いてみると、和菓子から洋菓子まで個性あふれる菓子がたくさん並んでいます。色とりどりの菓子を眺めていると、まるで子どもの頃に戻ったように、ワクワクとした気持ちが蘇ってきます。
「どれにしようかな? どんな味かな?」そんな風に迷ったときは、ぜひお店の人に話しかけてみてください。気さくな人柄の方が多い大河原町の菓子屋さんでは、小さなきっかけで思いもよらない話に花が咲くかも知れませんよ。