盛大に開催された『第50回おおがわら夏まつり』。
~地域の創生につながるシビックプライドの醸成への期待~
去る8月9日に、記念すべき『第50回おおがわら夏まつり』が開催されました。本町の夏まつりは、町・商工会・観光物産協会などで実行委員会を組織して行っていますが、かつては商工会青年部が中心的な役割を担った時代もありました。私も40年程前に実行委員長を務めた経験があり、特に思い入れの強い伝統行事の一つとなっています。
さて、今年は天候にも恵まれて日中のイベントにも大勢の皆さんが参加され、約2万5千人もの来場者で賑にぎわう中、無事終了することができ安堵したところです。いつもながら、県・大河原警察署・消防署・町交通安全指導隊・消防団・防犯指導隊などの皆さんの安心・安全へのご協力に御礼申し上げる次第です。また、ご協賛いただいた事業所や善意のボランティアにも心からの感謝の気持ちで一杯です。
コロナ禍以降、町内外のイベントも減少傾向が続きましたが、人や地域のつながりの大切さが意識され、少しずつ復活しているのが実感できてうれしい限りです。一方、長引く世界紛争の影響や、いつどこで発生するか分からない自然災害への対応など、急速な社会・経済環境の変化がイベント復活の阻害要因になることを心配しています。また、人口減少と同時に進む少子高齢化が、自治体間や地域間の格差拡大に拍車をかけていることも気掛りです。やはり、本町の掲げる『Well‐beingなまちづくり』への取組は、時代の求めである事に間違いないものと確信したところです。
ところで、イベントや伝統行事についての私の考え方について触れさせていただきます。一般的には、社会的な結び付きの強化・文化や伝統の継承・個人的な喜びや感謝の表現などに関係しているとされています。つまり、地域の人々が集まり伝統や文化を祝い、交流を深める大切な機会であり、コミュニティの活性化や郷土愛につながるものと考えています。
そして、一歩進んだ行動として期待しているのが、シビックプライドの醸成です。シビックプライドとは、自分が住んでいる地域に対する誇りですが、それを支えながら改善しようとする姿勢を示すもので、シティプロモーションの目的の一つとしてよく語られる要素です。これによりシビックプライドが醸成されれば、定住やUターンの促進・来訪者から定住者への移行・定住志向の高まりによる転出抑制・企業誘致・住民による情報発信の増加などが期待できるものと受け止めています。
何れにしても、イベントが持続可能であるためには様々な視点での考察が必要であり、安心・安全に終えることが絶対条件です。難しい判断を求められることも数多くありますが、最終的には参加し楽しんでくださる住民(町民)の皆さんの後押しが最も重要です。自分の住む場所に関心を持ち、受け止めや考え方を意見として聴かせて欲しいと願っています。
今年の夏まつりが、『Well‐beingなまちづくり』とシビックプライドの更なる醸成につながることを、心から期待しているところです。
(8月18日記)