困難に直面するこどもを支える第三の居場所。
~こどもの権利を保障する道筋づくりの大切さ~
去る5月23日に、本町と特定非営利活動法人アスイク及び公益財団法人日本財団との『子ども第三の居場所事業に関する協定締結式』が行われました。新聞やテレビでの報道もありましたのでご存知のかたも多いと思いますが、県内町村では初めての取組として紹介されたところです。
本町は現在、第6次長期総合計画後期基本計画の2年目として、『ひと・まち・桜が咲きほこる先進のまち』を掲げ、引き続き様々な施策を展開しています。その中でも、住民の幸福を目指す大切さの再認識から、心身ともに健康で幸福な状態が継続するという『Well‐beingなまちづくり』の推進に力を入れて取り組んでいます。
そのような中、アスイク及び日本財団との連携に基づいた『子ども第三の居場所事業』に取り組むことで、こどもや子育て世帯に対する更なる支援の充実を図ることといたしました。延いては、『こどものWell‐being』実現のためにも重要な役割を果たすことにつながるものと期待しています。
そして、具体的には第一の居場所としての家庭、第二の居場所としての学校、とは別に、安心に過ごせる場所としての第三の居場所の位置付けとなるものです。将来の自立に向けて『生き抜く力』を育むために、学校・地域のご協力をいただきながら、この『第三の居場所事業』を先々まで継続していけるように最善を尽くしてまいりたいと考えています。
この事業は、アスイクが日本財団から開設費と2年間の運営費の助成を受けて行われますが、3年目以降の財源は国のこども家庭庁の『子ども・子育て支援交付金』を活用することになります。補助割合については、国・県・町が3分の1ずつとなり、『児童育成支援拠点事業費(委託料)』は、全体として2,142万円程となるものです。
また、開設予定地は、町内幸町(105坪)で、1日あたり定員20名で登録制ですが、利用料は原則無料で送迎もあります。利用対象者については、町内に居住する小学生(主に低学年)ですが、兄弟での利用等は中学生でも可能です。最後に利用の条件は、①町・学校等からの紹介②不登校等で放課後児童クラブを利用することが難しい状況③保護者が病気や体調不良等により家庭だけでの子育てが難しい状況④経済的に困難な状況等のいずれかに該当するこどもとなっています。
本町にあっても、急速な少子高齢化の波は押し寄せており、核家族とシングル世帯や共働き世帯が増えて、祖父母や親戚・地域の人々が子育てを担っていた時代とは違い、親の育児負担が増加しているのが現状です。また、こどもの出生数も減る一方で、児童虐待やいじめ・不登校も増加の一途を辿っています。町(行政)だけでこれらの課題を解決していくには明らかに限界があり、今後はこどもやその家族を支援する民間団体の果たす役割にも着目し、期待を持って協定の締結に至ったものです。改めて、こどもの権利を保障する道筋づくりの大切さに気付かされた想いです。 (6月19日記)