『純粋倫理』が示す『人生は心構え』の大切さ。
~不透明な時代が故に、周到な準備と覚悟を持った行動を~
平成13年4月、丁度桜の咲く頃に設立された『さくら倫理法人会』をご存知でしょうか。毎週水曜日の早朝6時から、講師を招いて『経営者モーニングセミナー』を開催しています。今年1月15日は数えて1153回目の例会でしたが、『新しい地方創生と求められる市町村の覚悟』と題して講師を務めさせていただきました。実は、当会の初代会長であったことが縁で、年の初めの例会に講師依頼を受けるようになりました。今年は、19社20名の参加でしたが、新年の張り詰めた空気のなかで、無事役目を果たすことができました。
倫理法人会では、倫理に基づく経営の学習と実践を通して、企業と社会の健全な繁栄を目指しています。本部(一般社団法人倫理研究所・創設者 丸山敏雄)は東京にあり、全国都道府県に750の単会と7万社に及ぶ会員企業を有しています。県内にも20単会があり、『さくら倫理法人会』もその一つです。『企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を』をスローガンに、多くの経営者を中心に『純粋倫理』に根ざした『倫理経営』を学んでいます。
『純粋倫理』が示すものとは何なのか。それは、物の世界に物理があるように、人間には倫理という法則があるとの考えです。そして、『こんな時はどう行動すればいいのか』、『どんな心がけが幸福を招くのか』、『人生の岐路に立った時の心構えは』、『この苦しみをどう受け止めればいいのか』、そんな問いに答える人生の指針(道しるべ)として、人のあるべき道を『純粋倫理』が示しているのです。宗教でも主義でも学説でもなく、いつでもどこでも誰でも実行できる『生活の法則』として、人と人・人と物・人と自然の間にある社会生活の規範となる道、少し抽象的かもしれませんが、それが『純粋倫理』なのです。
さて、当日の私の講話の要旨ですが、本町の恵まれた現状と今後の『地域経営』を通しての『新しい地方創生』に対する心構えの話でした。決して受け身になることなく高い志と覚悟を持って挑戦する姿勢が重要です。そして、『地方こそ成長の主役』との発想に基づいて、地方の持つ特徴を活かしながら持続可能な発展を遂げなければなりません。また、これまでの課題や反省を踏まえて、地方創生の理念に沿って国と地方の信頼関係を大切に、自主的・自立的に『地域経営』の視点で力を合わせる大切さを具体的に説明したところです。
しかし残念ながら、『地方あっての国である』という価値観が国民の共有する思いとなっていないのではないか。このギャップが、政治・経済、そして社会全体の不透明感を払拭できない遠因にしてしまっているように感じられてなりません。私の講話の結びは、「不透明な社会変革の時代だからこそ、『純粋倫理』が示す『人生は心構え』に沿って、周到な準備と実現を図る覚悟を持った行動に徹してまいりましょう。」という内容でした。
答えの見えない厳しい社会環境の変化に拍車がかかっても、『人生は心構え』に立ち返ることを忘れてはならないと思うこの頃です。
(1月20日記)