大河原中学校の伝統行事第62回『立志式』
~希望をかなえる『感謝の気持ち』~
去る1月31日(金)に、大河原中学校の伝統行事第62回『立志式』が開催されました。かつて成人とされた元服にあたる中学2年生が、将来の夢や目標を発表するもので、保護者や1年生が見守るなか185名がこの日を迎えました。立志記念文集の『彩虹(さいこう)』の作成や当日の工夫された演出は、実行委員が相談して決めたとのことで、大変素晴らしい出来栄えでした。
14歳の春に、自分としっかり向き合いながら希望を持って将来を考えることは、意義のあることだと思います。すぐに答えが見つからないとしても、自分を大切にすることにもつながり、立志生を大きく成長させるに違いありません。そして、希望をかなえる源は、『感謝の気持ち』にほかならないことに気付いて欲しいと願っています。
人はひとりで成長していけるものではありません。かつて私は、当時東北最大級だったショッピングセンターの開発に取り組んだ経験があります。お金も力もなかった私たちが、なぜ大事業を完遂することが出来たのか。その答えは、私たちを信じて力を貸してくれた人たちを決して裏切ることは出来ないという強い覚悟と、心からの『感謝の気持ち』を頑張る気力に変えることが出来たからだと信じています。
誰にとっても人生の可能性は無限です。希望はいくら高めても高過ぎることはありません。しかし、人の取組には試練や失敗は付きものです。私も若い頃には、受験に失敗したり、町長になってからは落選を経験したりしたこともありました。一時の苦しみやしばしの傷(いたみ)は、さらに大きく羽ばたくための屈(かがみ)であり踏ん張りなのだと受け止めています。そして、『感謝の気持ち』を忘れなければ、日々の努力の積み重ねによって、必ず希望はかなうものと考えています。
米大リーグで昨シーズンも前人未踏の活躍を成し遂げた大谷 翔平選手は、『何事にも無理だと思わないことが一番大切。』と言っています。既に頂上に立っている今でもその歩みを止めることなく、進化への飽くなき挑戦を続けているのです。その生き方や考え方に、全世界の多くの人の感動と称賛が寄せられています。人は得てして『うまくいかない』と言うだけで希望を失ってしまいがちですが、本当は希望を失ってしまうから志が崩れてしまうのではないでしょうか。
今年もまた、感動の『立志式』に出席することがかない、改めて志を意識することが出来ました。立志生に感謝の気持ちで一杯です。立志生一人ひとりが、自分の生まれ育った我が町大河原を想い、また家族への『感謝の気持ち』を忘れずに力強く生き抜いていくことを心から期待しています。また、健康に充分気を付けて悔いのない中学生活を送れるよう願っています。
校訓に、『自覚・立志・健康』を掲げる大河原中学校の今後益々の発展を祈念するとともに、立志生の輝かしい未来に心からエールを送りたいと思います。
(2月14日記)