2024年6月21日 町長コラム(広報おおがわら令和6年7月号「さくら並木」)

高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画(R6年3月)
~介護予防は地域づくり。『こころが動けば身体も動く』を信じて~

 

 大河原町高齢者福祉計画・第9期介護保険事業計画は、高齢者施策の基本方針や今後3年間の介護保険サービスの事業計画を明らかにするものです。本町に暮らす高齢者が普段の生活の中で、さらには近年増加する大規模災害や感染症の流行等の緊急時においても安心して暮らせるようにすることを目的として策定するものです。
 全国的にも高齢者の急増によって介護サービスの需要は増え続け、財源となる保険料が上昇しているニュースが大きな反響を呼びました。本町では、介護予防施策が効果を上げている町としてマスコミ報道でも紹介されましたが、介護保険料基準額(令和6年~8年の支払月額)は4000円となりました。全国平均が6225円(第8期比3.5%上昇)で、本町は全国で4番目に低い保険料でした。また、要介護認定率(令和5年年12月末現在)が13.9%と県内市町村では最も低く、後期高齢者の健康診査の受診率の高さや、介護・認知症予防に力を入れてきたことが功を奏していると紹介されたところです。
 これらの計画では、今後3年間に取り組む施策の基本目標を次のように定めています。⑴高齢者が楽しく活動する機会の後押しをする取組の充実を図り、『高齢者の力を活かす地域づくり』。⑵高齢者にやさしいまちづくりや敬う社会を推進し、『安心して暮らし続けられる生活環境づくり』。⑶疾病予防や健康づくりと地域包括ケアシステムの推進により、『介護予防と地域包括ケアの充実』。⑷評価のための数値目標に基づく、『介護サービスの充実』。以上としています。
 近年本町は、健康寿命の延伸や数値化された不健康な期間の短さが評価され、『高齢者の健康意識が高いまち』として認知されるようになりました。本町としては、地域を巻き込む介護予防事業の実践を、地域づくりの一環として位置付けた取組による成果と受け止めているところです。医療環境に恵まれ町内医療機関とも密な連携が図られていることや、進んだ環境整備によるウォーキング等の健康づくりも町民に根付いています。
 本来、『元気で長生き』への取組は、健康づくりや介護施策が目指す根幹となるものです。さらに、本町の目指すWell‐beingなまちづくり(心身と社会が健康で幸福な状態が継続すること)は、何れの市町村にあっても実現すべきことです。制度や分野を超えて、全ての住民の暮らしを支える地域づくりは、本町においてもまだ道半ばですが、社会環境が激しく変化する時代にあっても、柔軟な対応に努めながら、社会的包摂の推進や地域共生社会の実現にも注力したいと考えています。
 高齢者は老いへの不安を抱えながら日々の生活を送っています。人や地域とのつながりや社会とのつながりを大事にすることが重要です。『こころが動けば身体が動く』に広く共感が生まれることが介護予防につながり、Well‐beingなまちづくりへの取組が地域力を高めることを確信するこの頃です。

                                               (6月17日記)

2024年6月21日 | コメント(0)

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