2022年9月16日 町長コラム(広報おおがわら令和4年10月号「さくら並木」)

全国並びに県町村会の創立100周年に思う

~人の絆・地域のつながりを大切に、地方からの国づくりに邁進してきた歴史~

 郡制が廃止されて、大正10年2月に全国町村会が創立され、その翌年に宮城県町村会も発足の運びとなりました。以来、今年で丁度100周年を迎えることになり、8月24日に記念式典が仙台市内の会場で開催されました。ご来賓として、村井県知事・県議会議長・県選出衆参両院の国会議員・県市長会長・県町村議長会長ほか、全国町村会からは荒木会長にもご出席賜りました。私も主催者側の県町村会副会長として式典に携わることとなり、この上ない喜びを感じたところです。
 さて、昨年開催された全国町村会創立100周年記念の荒木会長の式辞の要旨に沿って、この歴史を顧みたいと思います。この100年の前半は、満州・中華両事変から太平洋戦争を経て終戦を迎え、戦後の新憲法のもとで新たな地方制度と市町村のかたちが構築され、我が国の政治経済・文化などすべてが新生・再出発し、奮闘努力を重ねた時代でした。自治体の対応も複雑・多様化する中で、町村はその時代に直面する課題に立ち向かい、町村運営の安定と住民福祉の向上や地域の振興発展に邁進してまいりました。
 現在までの半世紀は、昭和から平成に至る社会経済の発展と成熟の時代を経て、バブル経済が崩壊し、令和の今日まで我が国の経済回復・再生への長い道のりが続くことになります。そしてこの20年は、町村にとって『地方分権の推進』とともに、『平成の大合併』に象徴される、苦渋の選択と厳しい行財政運営の時代でありました。大災害にも見舞われて数々の要望活動を展開する中で、真の豊かさと安らぎを実感できる地域社会の実現を願いながら、地方自治の最前線で住民とともに行動する町村長の責任と役割の重さに、改めて熱い思いを致すところです。
 そして、全国町村会創立100周年の宣言には、『先人たちが英知を集結し、果断な行動で幾多の国難に立ち向かってきた歴史をしっかりと胸に刻み、コロナ後の社会をさらに発展させ、地域が活力にあふれ光輝く新時代を切り拓くため、全力を尽くすことを誓う』と、町村自治の精神が高く掲げられています。
 私も如何なる時も町政の発展を願い、本町らしいまちづくりの推進に没頭してまいりましたが、何時しか18年ほどの月日が流れました。激しい社会経済環境の変化に翻弄されながらも、東日本大震災等の災害危機も乗り越えて、今はコロナ禍の難局への対応に全力投球の日々が続いています。『人の絆・地域のつながり無くしてこれらの苦境は乗り越えられなかった』ということが率直な思いです。そして、困難な地域課題への対応は、町村相互の強固な横のつながりのもと、地方からの国づくりへ力強く邁進する姿に現れているものと受け止めているところです。
 県町村会創立100周年は、単なる通過点ではなく、この歴史を改めて胸に刻みながら未来に継承できる地域づくりとしての決意の出発点でなければならないと考えるところです。
                                          (9月15日記)

2022年9月16日 | コメント(0)

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