2022年8月23日 町長コラム(広報おおがわら令和4年9月号「さくら並木」)

本町の特徴を活かした、少子化・人口減少の歯止めとなる挑戦
~『こども家庭センター』設置への先進的な取り組み(構想)~

 厚生労働省の発表によれば、昨年の出生数の概数は81.2万人でデータのある明治32年以降最少となり死亡数の144万人との差し引き62.8万人の自然減とのことでした。コロナ禍の影響を考慮しても減少傾向に変化はなく、将来の働き手不足や内需の縮小等社会・経済に及ぼす負の要素が懸念されてなりません。因みに本町では、若い世帯の転入増加によりここ暫くは人口・こどもの数・働き手とも大きく減少することはないようです。
 国では、この様な中、本年6月に『こども家庭庁設置法』が成立しました。国全体の抱える最も重要な課題の一つに、少子化・人口減少に歯止めがかからない現実があるからに他なりません。そこで、『こども基本法』に示されているこども政策の基本理念に基づいて、新たな司令塔となる『こども家庭庁』がいよいよ来年4月に発足する運びとなったものです。こども政策の推進は、国と地方自治体の連携が必要不可欠であり、現場のニーズを踏まえた支援の担い手との協働の実践が必要です。
 同時に『児童福祉法』も改正され、市町村に関連する事項としては、市町村にある現在の子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の組織を見直し、新たに一体的に相談・支援を行う『こども家庭センター』の設置を努力義務として求めています。本町で言えば、子ども家庭課と健康推進課に跨る機能を持つ新たな機関の設置となるものです。『こども家庭センター』は、妊産婦・子育て世帯(保護者)・こどもの全てを対象として、保育所・幼稚園等や地域の子育て相談機関と連携し、児童相談所や児童福祉施設との協働も含めて様々な支援をつなぐマネジメント業務を担うことになります。
 つまり、少子化や人口減少の歯止め策として、改めて国と地方自治体が車の両輪となり、現状と課題を共有して、今後のこども政策の推進についてそれぞれの役割を果たしていこうとするものです。幸い本町は、交通・行政・商業等の中心性・利便性を有し、教育や医療の環境も充実した良好な居住要件が備わった町です。そして何よりも、先進的に子育て支援施策に取り組んできた実績があります。今回の法改正の意義を理解し、本町の持つ恵まれた子育て環境をさらに活かすことを考えれば、努力義務としての受け止めではなく、早期設置に向けた取り組みを検討すべきと認識するところです。
 今後は、拠点施設整備のためのロケーションを想定した土地の確保や、役場組織機構の見直しと財政状況の見通し等、様々な課題の分析や検討が必要となります。また、町長部局と教育委員会の連携も大切であり、さらには議会や町民の皆さんへの説明責任も果たしてまいる所存です。そして、国には設置後の運営に係る財政支援や、制度施行までに、現行施策との整合性を明確に示していただく必要もあります。
 国難とされる多くの課題に直面し、激しい流れで変化する社会・経済環境の中にあっても、国や県との横展開を進めながら、本町の将来像を見据えた『一歩先を行く取り組み』に全力で挑戦してまいる決意をしたところです。
                                         (8月19日記)

2022年8月23日 | コメント(0)

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