春から夏にかけて、山は遊歩道散策や山菜採りなどでにぎわう季節を迎えます。新型コロナウイルス感染症の影響が気になる昨今、他人と十分な物理的距離を取って楽しめるレジャーとして、「ふだんは山に行かない」という方でも山に入る機会があるかもしれません。
 山には、街での暮らしでは触れることのない貴重な体験に加えて、多くのウイルスやダニなどが潜んでいます。その中には、町内で発生例のある「豚熱」をもたらすウイルスや、人間にもうつる「疥癬(かいせん)」を媒介するダニも含まれます。帰宅するときに山の土や汚れたままの野草などを生活圏に持ち帰ってしまうと、その中に病原体が含まれていた場合、家畜や同居のペット、ご自身が病気になってしまうかもしれません。

参考:「山や森林に入られる皆様へのお願い」

   「豚熱ウイルス拡散防止のお願い」(大高山遊歩道の散策エリア内にも掲示しています)



 野山の土、汚れがついたままの山菜、山に連れて行ったペットは最も身近な感染源です。
 土や汚れは出発前にできるだけ落としてから帰りましょう!

病原体を持ち帰らないために

  • 山に入るときは、長袖・長ズボンなど肌の露出を抑えた服装を。ケガの予防だけでなく、虫刺されやそれに伴う感染症なども予防することができます。
  • 山や森林から帰る前に、山菜・キノコなど現地から持ち帰るもの、靴底や道具、車のタイヤについた土や汚れを落としましょう。その場で水や消毒液を使って洗い流すのが理想的ですが、何もないときは払い落とすだけでもよいです。ただし、帰宅してからしっかりと洗浄を行ってください。
  • 帰る途中で畜産関連施設へ寄り道したり、すぐそばの道を通ったりするのは避けましょう。外部から何らかのルートでウイルスが侵入し、養豚場での豚熱発生につながったと思われる事例が実際に起きています。
  • 生きているものはもちろん、死んだ野生動物にも不用意に近づかないでください。素手で触るのはもってのほかです。

野生動物の感染確認状況

【豚熱について】
 令和3年12月9日、大河原町内で死んでいるのが見つかったイノシシ2頭について、宮城県で検査を行った結果、豚熱ウイルスに感染していたことが確認されました。12月1日の検査でも死亡イノシシ1頭から陽性反応が出ており、今回の町内における野生イノシシの感染確認は【2例目、3例目】です。
 詳しくは下記の宮城県ホームページをご覧ください。

 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/boueki/csf-wildboar.html

【疥癬について】

 イノシシの豚熱感染が確認されたのと同じころから、町内で捕獲されたイノシシやタヌキなどの野生動物に疥癬の症状がみられるようになりました。特定家畜伝染病ではないことから正式な調査は行っていませんが、ハンターや町民の皆さまからの情報提供をもとに職員が確認した限りでは、町内山間部のほぼ全域で発生が確認されています。
 疥癬は昔から存在する病気ですが、人やペットにもうつります。山の周辺では肌の露出を抑えた服装で活動するなど、十分にご注意ください。

山に存在するのはどんな病気?

 豚熱は、豚やイノシシが「豚熱ウイルス」にかかることで起きる熱性の伝染病です。
  • 豚、イノシシの病気です。人間には感染しません。
  • 万が一感染した豚やイノシシの肉を食べても、人体や健康に影響はありません。
  • 市販の食肉やそれらの加工食品は、健康な動物から生産したことが確認・証明できるものだけが流通しています。病気になった豚やイノシシの肉は市場に出回りません。


 疥癬は、ヒゼンダニ科のダニに寄生されることで起きる、感染力の強い皮膚病です。

  • 野生動物だけでなく、人やペットにもうつります(畜共通感染症)
  • 発症すると、脱毛や強いかゆみなど皮膚の異常が現れます。動物の場合はかゆそうに体をかきむしることがあります。
  • 原因となるダニは肉眼でほとんど見えないため、知らないうちに寄生されてしまうことも少なくありません。山から帰ってきたあと、気になることがあれば早めに皮膚科(ペットの場合は動物病院)を受診してください。


 いずれの病気についても、
正しい情報を知り、冷静な行動をお願いします。

 ※併せてご覧ください…「動物の病気と食の安全について」

イノシシの死骸を見つけたら?

 まず、絶対に素手で触らないでください。イノシシに限らず、野生動物の体には寄生虫やウイルスがついている場合があるためです。豚熱は人間にうつりませんが、疥癬などほかの病気を持っている可能性があります。
 次に、死んだイノシシを見つけたことを「大河原町農政課」へご連絡ください。職員が状況をお伺いし、有害鳥獣駆除隊と現地を確認するなどして対応にあたります。

 死んだイノシシを見つけたら…【大河原町農政課 0224-87-6277 へご一報を!】

 最後に、イノシシは発見場所からできるだけ動かさないでください。豚熱は涙や血液などの体液を介して感染しますが、移動させることでその経路上にウイルスを含む体液が散らばり、汚染範囲を広げてしまいます。逆に、現場から運び出すまでイノシシを動かさないでおけば、消毒する範囲を最小限にとどめることができます。


一人ひとりの行動が、健康と本町の畜産業を守ることにつながります。

皆さまのご理解とご協力をお願いします。


お問い合わせ先

 農政課


  TEL:0224-87-6277 FAX:0224-53-3818

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