『元気で長生きのまち、大河原』
~真の地域包括ケアシステムの構築に向けて~
『毎日楽しく暮らしたい、元気で長生きしたい。』は、万人の希望だと思います。そのためのキーワードの一つは、『地域包括ケアシステム』にあると考えています。これは、団塊の世代が75歳以上となる令和7年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立した生活の支援を目的に、可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるように、地域の包括的な支援・サービスが提供される仕組みのことです。
さて、本町の高齢化率は、28・0%(令和2年度末現在)で仙南では最も低くなっています。そして、平均寿命は男性が県下5位の80・13歳で、女性は1位の85・26歳(平成30年調べ)となっています。また、平均寿命から健康寿命を差し引いた不健康な期間は、男女とも県下で最も短いのが本町です。他にも、後期高齢者の健康診査の受診率が51・47%と県下で最も高く、介護認定率は11・7%(R元年調べ)と最も低く、介護保険料は基本月額が3800円と全国で3番目の低さです。これらの客観的な数値から見ても高齢者の健康意識が高く、『元気で長生きのまち』 であることが周知の事実と言える所以です。
では、この要因は何かということですが、幾つかの先進的な取り組みと恵まれた環境によるものではないかと考えています。先ず一つ目は、過去の介護保険法の大幅な改正がなされた折に、新しい介護予防と日常生活支援事業への、早い段階での準備と着手ができた点だと受け止めています。二つ目は、この総合事業の中で要支援や要介護の認定とは関係なく地域包括支援策が機能し、身近での見守り活動も含めて行政区や老人クラブ等での認知症・介護予防等の啓発が広く実践されたことがあると考えています。更にまた、町内に地域医療の拠点病院があることに加え、多くのかかりつけ病院や介護施設等も存在することがあると思っています。これらの要因により多職種での連携が生まれ、『地域包括ケアシステム』が前進することになったことが大きく寄与しているものと認識しています。
しかし、これまでの保険者による保健事業と介護事業は別々に実施されてきたため、健康状況などの把握が一体的な対応とはなっていないという制度上の課題がありました。これを受け、本町では今年度より国の方針に則り、健診結果等を活用した保健と介護が途切れることのない連携事業として実施され、地域包括の見える化を図っているところです。高齢者の自立した生活の維持には、健康寿命の延伸が重要であり、フレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)や介護予防に対するきめ細やかな支援が必要になると考えます。
今後とも、『元気で長生きなまち』を誇りとして、町づくりの理念である『認めあい、支えあい、活かしあう』を掲げ続けて参ります。そして、アフターコロナの社会にあっても、最後まで住み慣れた地域で自分らしく暮らせるように、『地域包括ケアシステム』の真の構築に邁進する所存です。
2021年10月20日