全国に先駆けた伝統行事『立志式』に思う ~立志の誓いと家族の絆(きずな)~
2月3日(立春)に、保護者立ち会いのもと『第58回大河原中学校立志式』がえずこホールで開催されました。これまで誰も経験したことのないコロナ禍の制約があっても、全国に先駆けた伝統行事に相応しい大変立派な式典でした。私も第5回の立志式を体験しましたが、時の流れを感じながらも代表者の真剣な発表に感動し目頭が熱くなりました。立志生には、この厳しい環境の変化を乗り越えて力強く生き抜いていくことに期待を寄せたところです。
14歳の春に自分と向き合い希望を持って将来を考えることは、自分を大切にすることにもつながって、立志生を大きく成長させるに違いないと受け止めています。そして、立志の誓いと合わせて家族の絆(きずな)に対しての素直な思いを寄せて欲しいと願っています。
誰にとっても命の元は両親です。そのまた両親(祖父母)にも両親がいてと…、10代さかのぼると、人は千人もの血縁者を持つことになるそうです。そのことを考えると、人は生きているというよりは生かされているのだと思えてなりません。この代々のつながりに思いを寄せれば、あたりまえに感謝の気持ちが
湧いてくるのではないでしょうか。
式典の祝辞の中で、北欧のスウェーデンの中学2年生の教科書に『子どもと家族』という単元があり、次のような一節を紹介しました。『私たちは、学校・職場・余暇活動など様々なグループに属しています。しかし、私たちにとって最も大事なグループは、それがどんなタイプであるに関わりなく、家族です。家族の中にあって、私たちは親近感・思いやり・連帯感・相互理解を感じます。私たちはありのままでいながら、受け入れられ好かれていると感じることができます。たとえどんな馬鹿なことを言ったとしてもです。こんなことは家族以外のグループでは決してありません。』(抜粋)
あたりまえのことですが、人は1人では成長していけるものではありません。どんな時も家族や友人、先生、地域の方々に支えられ、守られている筈です。うまくいかないことがあっても、それだけで希望を失ってしまう必要などない環境にいることに気付いてほしいのです。とは言っても、人の取り組みには試練や失敗は付きものです。現実には1人で思い悩むこともあるでしょう。しかし、一時の苦しみやしばしの傷みは大きく成長するための屈み(かがみ)であって、やがて羽ばたくための踏ん張りなのだと信じて下さい。そして、感謝の気持ちを込めて家族の絆(きずな)に思いを寄せて欲しいのです。
立志の誓いで将来の職業が全て決まる訳ではないと思いますが、立志生の皆さんが今の時代の激しい環境の変化を乗り越えて、無限の可能性に向かって努力する姿に心からのエールを送りたいと思います。そして、立志式に大切な気付きをいただいたことに感謝したいと思います。
2021年2月16日