~おおらかにたくましく、子どもの未来をみんなで育むまち~
子ども・子育ての現状と町立桜保育所開所の意義
3月18日に、大河原町立桜保育所の『開所式』が行われました。コロナ禍の影響で規模を大幅に縮小しての開催となりましたが、議会議員各位や近隣行政区長の皆さんと町内の民間保育関係者、さらに設計・建設工事・工事監理の各企業代表者にもご出席いただきました。改めて、様々な方々の期待とお力添えの賜(たまもの)と心より感謝の気持ちで一杯です。
旧桜保育所は、昭和50年に本町において初の公立保育所として開所し、以来町の児童福祉や子育て支援の拠点施設として多くの児童の保育に携わってまいりました。しかし、建設から40有余年が経過し、施設の老朽化が顕著となりましたことから、平成28年に建替えの検討を開始し、様々な行政手続きを踏みながら議会の議決を経て、今春竣工を迎えたものです。学校給食センター、桜保育所、大河原中学校体育館の順に位置づけた、子育て・教育施設の充実に避けて通れない一連の取組です。
現在進行中の第6次長期総合計画の本町らしい特徴あるプロジェクトとして、『安心して産み育てられる子育て環境づくり』を重点目標として掲げています。今回の桜保育所の建替えは、子育ての環境整備や支援体制の充実を図り、子育てに最適なまちのブランド化を確かなものとするねらいを持つものです。また、民間保育園等への支援も継続しながら多様な保育需要に対応できる体制づくりにも結び付けることを目指しています。
近年、本町においても少子高齢化の波が押し寄せ、さらにライフスタイルの多様化や女性の社会進出に伴う共働き家庭の増加など、子どもや子育てを取り巻く環境は増々大きく変化してきています。また、就労形態の変化や地域コミュニティの希薄化を背景とした家庭と地域の子育て能力の低下が指摘される中、子育ての負担や不安の増加が懸念されており、子ども・子育て支援は非常に重要な政策課題になっていると認識しているところです。
さらに、社会・経済環境の変化と相俟(あいま)って、増加傾向にある児童虐待や子どもを取り巻く貧困の問題も大きな課題となっています。こういった現状や少子化対策の一環として、国において子育て家庭の経済的負担を軽減するために令和元年10月より幼児教育・保育の無償化が開始され、12月には新たな子どもの貧困対策大綱も決定されました。
法に基づいた本町の子ども・子育て支援事業計画の理念として、『おおらかにたくましく、子どもの未来をみんなで育むまち』を定めています。今後は、子育てや貧困を家庭のみの責任とするのではなく、地域や社会全体で課題を解決していくという意識を持つ事が大切になったものと受け止めています。子ども・子育てに対する町の果たすべき役割と責任を見据えて、公立の保育所は無くさないとしてきた意義を改めて強く感じています。
アフターコロナの社会像を考えるにあたっても、求められる子ども・子育て支援の充実に向けて全力で取り組んでまいる決意をしたところです。
2021年3月23日