人口減少時代の町村の在り方と価値を考える。
~地方創生実現のための課題認識として~
日本創成会議(座長 増田寛也氏)の『消滅可能性自治体』の発表から早10年以上が経ちました。若年女性(20~39歳)人口が減少し続ける限り、出生率は低下を続け、人口減少に歯止めがかからず、最終的には自治体の消滅可能性が高まるとの分析でした。大きな衝撃を受けましたが、人口流出(社会減対策)に重点が置かれ過ぎていて若年人口の近隣自治体間での奪い合いが助長されたように感じています。結果として、出生率向上に結び付く訳でもなく、全体の人口減少基調を変える警鐘にならなかったのではないでしょうか。
そして今、地域や町村の在り方や価値が改めて問われる中にあって、財政効率に立脚した『集住論や農村たたみ論』による自治体再編を促す議論が高まりつつあります。これらを受けて、全国町村会内に『今後の地域政策の在り方に関する研究会(議長 小田切徳美明治大学教授)』が設置されています。先日、その中間報告がまとまり、『人口減少時代の地域・町村の価値と展望』と題した説明会がありました。
小田切教授のまとめでは、『人口減少社会においては、人口を増やすことや都市型の高密度社会を目指すことだけが目標ではない。小規模・低密度・分散という条件も受け入れながら地域が主体的に順応し、試行錯誤を積み重ねる社会こそが今後の地域政策の方向性である。』との結論でした。
地方創生への取組も道半ばの中で、町村の存在を効率論だけで規定することは地域政策等の在り方を議論する上でもあってはならないことです。しかし、一方では、地域や町村の在り方や価値に、都会で暮らす人々の共感が得られているのかが気掛かりでなりません。地方創生についても、地方のみの活性化策である域を出ない現実への課題認識が必要なのではないでしょうか。
(7月14日記)