2023年8月23日 町長コラム(広報おおがわら令和5年9月号「さくら並木」)

『一目千本桜植樹100周年、おおがわら夏まつり』開催の意義
~持続可能な伝統行事(文化)の在り方について~

 8月12日、一時雨に降られたりもしましたが、『一目千本桜植樹100周年、おおがわら夏まつり』が無事開催されました。実行委員会の皆様や協賛企業・事業所のご支援に支えられて、4年ぶりに復活できましたことに感謝の気持ちで一杯です。
 全国的には、コロナ禍による厳しい社会・経済情勢の影響や安全面での危惧などにより、伝統行事やイベントの復活が叶わない状況もありました。本町の実行委員会でも、花火打ち上げの場所やまつり会場の設営の在り方、さらには協賛金募集の厳しい現実等についての議論がなされました。町なかでの花火打ち上げやフィナーレでの迫力満点の『ナイアガラ瀑布』が夏の風物詩の中心であり『何とか同様に実施できないか』との思いは共通でした。
 しかし、町なかでの実施は安全面での懸念があるとのことで、断腸の思いでしたが、今後も持続可能とするための打ち上げ場所に変更せざるを得ませんでした。この件に関しては、まつりの復活を素直に喜ぶ声もあれば、『残念です』という戸惑いの声もありましたが、まつりの継続を大前提とした結果ですので、正しい判断であったものと認識しています。
 一方、春の『おおがわら桜まつり』は、髙山開治郎翁による植樹100周年の年であったことで、マスコミ報道の取り上げが非常に多く、町民の皆様の受け止めやシティプロモーション効果に、確かな高まりを感じることができました。『千本桜を千年先へ』のキャッチフレーズに呼応して、桜やふるさとへの思いにも火を付ける結果になったものと考えています。『郷土愛』や『シビックプライド(地域への誇りや愛着を持ち、まちをもっと良くしようとの思い)』を育むことの大切さを改めて実感することとなりました。
 今年は、秋の『オータムフェスティバル』や、冬の『桜のイルミネーション』の行事でも『一目千本桜植樹100周年』の冠を付けて盛大に開催する予定です。本町が目標とする将来像の『ひと・まち・桜が咲きほこる先進のまち』の実現に向けて、人やふるさとへの思いをつなぐ重要なツールとしての伝統行事(文化)の在り方に、大きな気付きをいただきました。そして、これからのまちづくりの視点として繰り返し述べてきた『Well-beingなまちづくり』へとつなげる決意を新たにしたところです。
 この4年程は、コロナ禍、原油・物価高騰、激甚・頻発化する災害等で、私たちの暮らしは不安定な状況が続いています。だからこそ、安心で健康な日々が送れて、幸福の継続が実感できることへもつながる、住民参加・生涯学習・伝統行事(文化)の在り方に意義を見出す必要があるものと認識しています。更には、社会的包摂の推進や『誰一人取り残さない』取り組みへの実践として、住民意識が高まることを切に期待するところです。
 今年も、周辺の市町での伝統的なイベントが復活しなかった現状が気掛かりでなりませんが、本町の持つアイデンティティを象徴する伝統行事(文化)は、決して絶やさないという思いを強くしたところです。
                                            (8月21日記)

2023年8月23日 | コメント(0)

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