2023年1月20日 町長コラム(広報おおがわら令和5年2月号「さくら並木」)

格差の是正と住民参加・官民協働のまちづくり
~ウィズコロナ以降の社会像を見据えた取り組み~

 3年に及ぶコロナ禍の影響により、社会経済活動の在り方の変化とともに構造的な少子高齢化の進展など、行政を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。さらに、長期化するロシアのウクライナへの軍事侵攻は経済の混乱と物価の高騰を招き、我々市町村にとっても様々な支援への取り組みが喫緊の課題となっています。
 また、一向に先の見えないコロナ禍は、ウィズコロナ以降の社会像を見据えた対応を困難にしています。この長引くコロナ禍による住民生活に直結した暮らし・雇用・情報・教育などに生じた格差の広がりが懸念されています。特に女性や子どもの貧困の顕在化・孤立化が深刻さを増しています。また、地方創生に取り組む市町村では、財政基盤の格差のみならず施策への取り組みに温度差が見え隠れしています。地域課題の解決のためには競争ではなく共生が大切な意識ですが、人口減少などによる行き過ぎた選択と集中が連携の困難さにつながっているようで気掛かりです。
 一方、本町は、人口も子どもの数も働き手も仙南で唯一現状維持されている町であり、歳入の安定が強みとなっています。今年度のふるさと寄附金も既に21億円程となり、これからの責任ある活用に身の引き締まる思いです。また、特徴の一つである商業売上高も堅調に推移し、町内の賑わいも大分戻りつつあるようです。さらに、高い健康意識や恵まれた医療環境に支えられて『元気で長生きなまち』も継続され、教育(学力向上)や子育て支援も高く評価されています。転入する若い世帯の満足度が高いことが町政経営の励みになっています。
 さて、私の考えるウィズコロナ以降の社会像ですが、(1)人や地域をつなぎ支える『地域共生社会』の実現、(2)平均値では見えない格差是正への取り組み、(3)生涯学習での住民参加・官民協働のまちづくりの実践の三つに、重要な視点があるものと考えています。その上で、仙南の中心に位置し、拠点性・利便性・先進性といった特徴を活かした積極的な施策への挑戦が求められていると受け止めています。
 具体的には、国の進める『こどもまんなか社会』の実現に資する『子ども家庭センター』設置への取り組みや、人や地域をつなぐ力を持つ『スポーツを活用したまちづくり』の実践が中心となります。他にも、選ばれる町につながる教育環境の整備や防災・減災への取り組みと、きめ細やかな高齢者対策や地域医療の抱える課題の解決にも注力する所存です。また、今年は、一目千本桜の植樹百周年の年です。『千本桜を千年先へ』のスローガンのもとに町民の『桜への想い』の再構築に努めます。
 改めて言うまでもなく、行政の力だけで全てが実現できる時代は<RUBY CHAR="疾","と">うの昔に終わりました。目指す社会像としての『地域共生社会』を共有するためには、住民参加や官民協働のまちづくりの実践が必要不可欠な条件だと考えます。町を挙げて取り組む全員野球の精神に思いを馳せるこの頃です。
                                          (1月19日記)

2023年1月20日 | コメント(0)

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