2021年6月24日 町長コラム(広報おおがわら令和3年7月号「さくら並木」)

~白石川右岸河川敷等整備事業の意義と可能性~
『にぎわい・ふれあい・交流のレクリエーション拠点づくり』

 本町は、雄大な蔵王連峰を望み、町の中央を清流白石川が流れる山紫水明の地と称されますが、一目千本桜とともに素晴らしい河川環境を有することも自慢の一つです。そして今、この河川敷を活用した新たな広域連携の軸として『レクリエーション拠点』が誕生しようとしています。
 私事ですが、コロナ禍での健康管理を意識して早朝の散歩を復活させました。大河原大橋から金ケ瀬さくら大橋までの右岸堤防天端(ウォーキングコース)を中心に、4~5kmの距離を歩いています。日増しに多くなるすれ違う人との挨拶を楽しみながら、変貌する河川敷の今後について、つい話したくなる衝動にかられる毎日です。また、歩きたくなる環境とともに身近に自然とのふれあいを体感できるロケーションが生まれたことで、地方の多様な魅力とその価値の持つ可能性を強く意識するようになりました。
 改めて、この整備事業への取り組みの経緯と意義について説明します。県による国土強靭化対策事業としての河川敷等の雑木伐採がきっかけでしたが、これまで掲げてきた私の公約の一つでもありました。この出現した広大な土地の利用が、日常的な新たなにぎわいの創出として広域的にも大きな貢献をする可能性を強く感じていたからです。その後の積極的な県への要望活動の結果、『県とのコラボ事業』とする提案をいただき、本格的な取り組みのスタートとなりました。県の意向としても、仙南全体での連携の成果につながる期待があることを肌で感じたところです。
 さて本町は、皆様ご存知のように中心性や利便性に加え、行政・商業・医療・教育等の拠点であることを活かして人口の維持を図ってきました。しかしながら、仙南全体としては超高齢化が進むなかで、人口は年間2500人ほどの減少が続き、働き手(生産年齢人口)や次代を担う子どもの数も大きく減っています。現在はコロナ禍による厳しい現実も相まって、社会・経済活動も停滞し広域連携事業や日常のにぎわいまでも大幅に減少している状況です。うがった見方かもしれませんが、今こそ本町のポテンシャルや恵まれた特徴を活かす意義についても再確認することが求められているものと受け止めています。
 とは言え、今後本町が検討すべき課題も数多く存在します。そのなかで交流人口や関係人口を増やす具体的な仕組みづくりが最も重要です。そのためにも堤内地(田んぼ側)のにぎわい交流施設の検討について、町民の皆様の意見も広く踏まえた内容にしたいと考えています。さくら大橋からの直接乗り入れを可能にする検討や、国・県の補助事業の活用の他、ふるさと納税や自治体型クラウドファンディングの活用等についても実施を想定しています。
 そして大局に立てば、アフターコロナの社会像を見据えながら、自治体(地方)の持つ魅力を再発見する価値に目を向けることが極めて重要な視点となるものと考えます。本町としても、この整備事業をモデルとして、恵まれた特徴を活かして、広域連携の要としての役割が果たせるよう、開かれた先進の取り組みにつなげてまいる所存です。

 

                                           2021年6月18日


2021年6月24日 | コメント(0)

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