~データからみた本町の健康意識の高さ~
医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で元気に暮らせるまち
5月に入ってから本町の新型コロナウイルス感染症のクラスター発生が続き、陽性患者の増加が顕著になっています。酒を提供する飲食店関連や職場内・家庭内での感染と、広がり方は様々ですが、『なぜ本町で?』と不安と緊張の高まる状況が懸念されています。
一方、ワクチンの接種については医療関係者に続いて高齢者への個別接種も始まり、医師団会等のご協力を得ながら7月末までの高齢者への接種完了を目指して鋭意努力をしているところです。
さて先日、『データからみたみやぎの健康 概要版(令和2年度)』という県の保健福祉部発行の資料が届きました。ページを開くと、『健康寿命と不健康な期間(平均寿命-健康寿命)』の数字が真っ先に目に入ってきました。さらに、市町村別のランキング(平成30年)も示されていて大変興味深いものでした。紹介しますと、男性の健康寿命は利府町・富谷市・仙台市と続いて、大河原町は80.13歳で第5位でした。女性は大河原町が85.26歳で輝く第1位、以下美里町・仙台市と続いています。そして特筆すべきは、不健康な期間が最も短いのが男性0.82年、女性1.74年で断トツ1位が大河原町でした。『元気で長生きの町』の称号をいただいた思いです。
この要因として幾つか掲げられますが、先ずは高齢者の皆様の健康意識の高さがあると考えています。後期高齢者の健康診査の受診率の高さや要介護認定率の低さは、県下でもトップを続けています。また、みやぎ県南中核病院を中心としてクリニック等の施設環境が整っており、医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らせる『地域包括ケア体制』の整備も進んでいます。さらにまた、ウォーキングや健康体操教室などの運動習慣の定着を始め、様々な介護予防や認知症対策に重点を置いた施策を展開し、新しい介護予防を先取りして実施してきた結果だと受け止めています。
3月末に厚労省が公表した介護保険の令和3年度保険者インセンティブ交付金の評価結果によれば、被保険者規模別の全国540自治体の中で、本町は第5位にランキングされました。本町の介護予防への取り組みが評価されたものであり、手前みそですが地域包括支援に関わる職員や保健師等技術職員の意識の高さと連携の取れた実践の賜と認識しているところです。さらなるデータの活用など、今後の取り組みになお一層の期待を寄せる次第です。
折しも、今年度より第8期介護保険事業計画がスタートしています。近年の災害発生状況や感染症の流行に対する備えへの考慮が求められていると実感しています。また、データに基づいた質の高い介護サービスを提供するための『科学的介護』の取り組みなど、医療や介護の関係機関との連携強化の重要性が益々高まってくるものと認識しています。本町の持つ特徴をこれからも存分に活かしながら、『住み慣れた地域で元気に暮らせるまち』に向かって地道な努力を積み重ねて参る所存です。
2021年5月19日