2021年1月12日 成人式 式辞

成人式 式辞

 

 輝かしい新春に、成人式を迎えられた皆さん、おめでとうございます。

 皆さんの明るく若さあふれる姿に接し、誠に頼もしい限りであります。町民を代表して心からお喜びとお祝いの言葉を申し上げます。

 さて、今年、本町で成人式を迎えられる新成人は、男性が146人、女性が137人、計283人であります。

ご存知のとおり「成人の日」は、大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝い、励ます日であります。そして、成人という節目から、皆さんは、責任ある行動を求められます。また、これからの人生において、様々な困難に直面することもあると思います。そういった状況にも決して臆することなく皆さんのあふれる若さで乗り切っていって下さい。

 そこで私は、自分の努力で小さな会社を世界的企業にすることの夢を追い続けた一人の歴史的人物のお話を紹介します。それは「本田技研工業創業期副社長の藤沢武夫」さんです。

知っている方もいらっしゃると思いますが、今の本田技研工業株式会社は、最初は小さな町工場でした。その中に社長の本田宗一郎氏と社員の藤沢さんがいました。

 藤沢さんは、これまで本田技研の危機を幾度となく救い、立ち上げてきた人物であります。

他のメーカーから立ち遅れていた販売網を克服するため、エンジンを扱ったことのない、全国5万以上もある自転車販売店に目をつけ、連日手紙を書いて送り、バイクを売ってもらい、全国にその販売網を広げていきました。

 しかしながら、バイクの欠陥、自信作スクーターの技術的失敗による製造の中止、バイクの売れ行き不振等々、ホンダが絶体絶命の危機に追い詰められた時期もありました。それでも藤沢さんは決して逃げることはせず、経営手法の改善、グランプリレースへの参加、反対されながらも、先を見越して自動二輪車「スーパーカブ」をアメリカへ進出させるなど、新たな開発と強い意志、夢と希望を持ち続け、危機を乗り越え、本田技研の名声を高めたのでした。

 藤沢さんは、「たとえ最初は苦しくとも、たいまつは自分の手で掲げて進もう」という名台詞(めいぜりふ)を残しています。

これは、他社のまねをしないで、何事も自分で切り開いていくこと、人の明かりに頼っていれば道に迷わないが、市場をリードすることはできないとの意味がこめられています。

 現代社会は環境の変化も激しく、昨今、新型コロナウイルス感染症が瞬く間に全世界に広がり、経済や社会に甚大な影響を与えています。深刻さが日々増す中で、収束に向けた必死の努力が続いています。

 本町においてもコロナ禍における経済と生活の支援策をはじめ、防災・減災の充実や安心して産み育てられる子育て環境づくりなど、「認めあい・支えあい・活かしあう」の基本理念のもと、このような時だからこそ、人と人とのつながりを大切にする、ひと・まち・桜が咲きほこる先進のまちづくりを目指しています。

 ところで、皆さんがこれから社会で活躍するとき、試練や失敗はつきものです。

藤沢武夫氏のように、逃げず、甘えず、困難に立ち向い、夢と希望を持って力強く生きてください。

 そして、大人社会での義務や権利、責任を持ち、勇気と創造力を働かせ、つながりを大切にし、社会のためにご活躍くださるよう念じてやみません。

 結びに、大きな節目となる成人式を、一生の思い出として皆さんの心に残るよう、多忙な中、準備を進めていただきました実行委員の皆様、本当にご苦労様でした。

 また、ご来賓の皆様にはご多用の中、ご臨席を賜り、心から厚く御礼申し上げますとともに、新成人の皆様の今後のご活躍をお祈り申し上げ式辞といたします。

                               令和3年1月10日

                                       大河原町長  齋 清志


2021年1月12日 | コメント(0)


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