2020年3月23日 町長コラム(広報おおがわら令和2年4月号「さくら並木」)

~自然災害と社会不安が待ち受ける厳しい時代にあって~
      『生命(いのち)と安全を守る』使命の再認識

 未だ対処不明の新型コロナウイルスの感染拡大により国民の日常生活が一変し、大きな社会不安と極めて深刻な経済への影響が生じています。本町に於いても、生活困窮者の生活実態と飲食・小売業や下請け中心の中小企業等の経営悪化が気掛りでなりません。町として何ができるのか検討して参る所存です。また、臨時休業が続いた子どもたちの抱えるストレス負荷を考えると、何れ始まる学校再開への具体的な指針が早急に示されるべきではないかと考えています。
 さて、本町では今年度より第6次長期総合計画がスタートしています。掲げるコンセプトの中心に、『生命(いのち)と安全を守る』ことを謳っています。頻発化・激甚化する災害への対応、様々な犯罪や事故から町民を守ること、さらには健康の維持や今回の様な社会不安等から生命(いのち)と安全を守ることがまちづくりの原点であり、町の基本的な使命であることを改めて再認識しています。
 その様な折、大河原町と町内4つの郵便局との包括的連携に関する協定の調印がなされました。平成15年を皮切りに始った個別協定をまとめて、改めて人的・物的資源を有効に活用し、地域活性化及び住民サービスの向上等を図ることを目的とするものです。町にとっても町民にとっても身近な郵便局の支援は、たいへん有り難く、また心強い限りです。この協定締結の周知を図りながら、町民の安全・安心に関わる意識の哉(なお)一層の高まりに期待を寄せているところです。
 また、国策として地方が取り組む『まち・ひと・しごと創生総合戦略』も間もなく5年が経過しようとする中で、これに続く第2期の地方創生の考え方が示されています。本町に於いてもその策定作業が始まっていますが、4つの基本目標を簡単に説明しますと、(1)稼ぐ地域として安心して働ける、(2)地方のつながりを築いて新しい人の流れをつくる、(3)結婚・出産・子育ての希望を叶える、(4)ひとが集い安心して暮らせる魅力的な地域をつくる、としています。人口減少対策と広域連携にばかり目が行きますが、地方創生の理念には『安全・安心な地域づくり』が示されています。
 嘗(かつ)て私たちは東日本大震災に見舞われ、昨年は記録的大雨による水害にも直面しました。そして、今回のウイルス感染拡大とパンデミックという社会不安にも晒されながら、今改めて危機意識の重要性を痛感させられています。また、昨今の社会・経済環境の激しい変化への対応を考える度、自治体経営は長期的にも短期的にも柔軟性とスピード感が大切であり、常に緊張感を忘れてはならないという自覚が求められていると受け止めています。
 今年は、桜まつりの中止を断腸の思いで決定しましたが、もうすぐ白石川堤の一目千本桜は何事もなかったように咲き誇ることでしょう。『生命(いのち)と安全を守る』決意を込めながら、町民の心の拠り所である桜に対し、行政の果たすべき使命の再認識を誓ったところです。

                                        2020年3月19日


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