生命(いのち)と安全を守る ~安心が実感できるまちづくり~
7月18日に京都の「京アニ」で起こった悲惨な放火事件のニュースは、世界中を駆け巡りました。一瞬のうちに奪われた生命を思うと、犯人への憤りと共に今でもどうしようもない虚しさがこみ上げてきます。亡くなった方々一人ひとりに志や希望に満ちた未来が待っていた筈なのに、生命が余りに軽んじられた現実が残念でなりません。
さて、本町の掲げるまちづくりのコンセプトの一つに、『生命(いのち)と安全を守る』ことが位置づけられています。当然のことながら、町民の生命と安全を守ることがまちづくりの原点であり、行政の基本的使命であると認識しています。主な取り組みとしては、自然災害や様々な犯罪、事故などから町民を守り、健康的な生活の維持や多くの社会不安にしっかりと対応できることを目指しています。
そして、災害に強い町土をつくり地域医療の拠点病院(みやぎ県南中核病院)のある本町の特徴と役割を踏まえながら、誰もが安心を実感できる政策を重点的に展開しています。
しかし残念ながら、行政だけで全ての安全を守ることが出来ないのが現実です。
また、社会経済環境の変化が激しい現代にあっては、社会的に孤立している人々に対し一人ひとりの存在を認めあい、つながりを持って包摂する社会の理念(ソーシャルインクルージョン)が大切に維持されるかが心配でなりません。やはり『認めあい、支えあい、活かしあう社会』の実現が強く求められているのではないだろうかと受け止めています。
幸い本町では、高齢者の健康意識が極めて高いことにより、健康寿命の延伸が県下トップクラスです。
また安全意識に於いては、今月15日で交通死亡事故ゼロ2000日達成が間近に迫っているなど、生命の尊重と安全・安心の志向が高まっている現状にあります。更に高齢化が進む中にあっては、『住まい・医療・介護・予防・生活支援』が一体的に提供されることが期待されます。この課題の解決のために、地域に関わる多くの人達が相互につながることで安全・安心が確保される地域包括ケアシステムの構築が確実に前進しているところです。
さらにまた、住民が住み慣れた地域で健やかに暮らせる地域づくりを支えるために、国民健康保険や介護保険などの円滑な運営も重要ですが、本町に於いては今のところ大きな不安はないものと受け止めています。
また、公共施設やインフラ等の長寿命化と減災対策を推進し、水道の安全供給と雨水排水路の整備等、浸水・冠水対策も着実に進めています。
いつ、どこで、何が起こるか判らないという危機意識を忘れずに、災害時はもとより基本的な安全確保と生命を守る取り組みが、町民の暮らしの安心の実感と町の魅力に結び付くことを目指して努力し続ける決意です。
2019年7月19日