千年先へつなげる『桜と生きるまち、大河原』の想い。
~『一目千本桜植樹100周年』が残してくれたその存在意義と宣伝効果~
残雪の蔵王連峰を望み、清流白石川の<RUBY CHAR="辺","ほとり">に咲く『一目千本桜』は、『さくら名所百選の地』の名に相応しく今年も見事に咲き誇ってくれました。『おおがわら桜まつり』は4年ぶりの開催でしたが、髙山開治郎翁の植樹から100周年の記念の年でもありました。折しも好天に恵まれて満開時には過去最高の人出となり、改めてかけがえのない町の財産として後世へつなげていく責任を自覚したところです。
この『一目千本桜』のルーツはご存知かもしれませんが、本町出身の開治郎翁が1200本の桜の苗木を町へ寄附し植樹したのがきっかけです。父親の死により家業が廃業となり、家族を養うために上京し苦難の末に実業家として成功を遂げました。『愛郷奉仕ノ念止ミ難ク桜樹一千余本時価四千円ヲ本町ニ寄付栽植ス』と大河原大橋下に建てられた『桜樹碑』に想いが刻まれています。本町のシンボルであり町民の誇りとなっている『一目千本桜』を町を挙げて守り続けていく決意を込めて、今年から『千本桜を千年先へ』のキャッチフレーズを掲げさせていただきました。
また、言わば『桜の守りびと』として保護活動や広報宣伝に尽力されてきた皆様には感謝の気持ちで一杯です。植樹100周年の記念式典にて、柴田農林高等学校・大河原町さくらの会・大河原ライオンズクラブ・大河原町商工会を『桜と生きるまち大河原』の立て役者として表彰させていただきました。また、『桜は人を笑顔にする』と話される本町樹木医の尾形政幸先生のご支援にも心から御礼申し上げる次第です。
今回の『白石川堤一目千本桜植樹100周年』の記念行事には、開治郎翁のお孫さんの信行様・洋子様ご夫妻をお招きすることができました。令和4年に新品種登録された『大河原紅桜(ソメイヨシノを母体にエドヒガンを掛け合わせた長寿の桜)』の記念植樹から始まり、歓迎レセプション・感謝の夕べと続き、翌日の桜まつり会場での記念式典までお付き合いいただきました。本町の開治郎翁と『一目千本桜』への感謝の思いを、少しでも感じていただけたのであれば此の上ない喜びです。また、多額の金品のご寄附までいただき大変恐縮した次第です。
今年の『一目千本桜』は話題も多くマスコミの取り上げが続く中で、本町の最高の宣伝につながりました。若手職員のアイディアから作成された『移住・定住促進パンフレット』には、商業の賑わいと医療機関の充実した快適な住環境、子育て支援と教育の充実、豊かな自然環境と災害に強いまちなどが紹介されています。そして、紙面の真ん中には雄大な蔵王連峰と清流白石川とともに『一目千本桜』が堂々と配置されています。転入世帯の多い本町ですが、その理由の一つには『一目千本桜』の景観があることは間違いのない事実です。
『桜と生きるまち大河原』の想いを千年先までつなげる覚悟とともに、今後とも『住みやすさが満たされた先進のまち』を目指してまいる所存です。
(4月18日記)