2020年4月22日 町長コラム(広報おおがわら令和2年5月号「さくら並木」)

~人のつながりの分断を防ぐ思いやり~
             新型コロナウイルス感染症対策

 これまでの最も早い開花となった一目千本桜ですが、皮肉なことに長く咲き誇り桜吹雪となって舞い散ったばかりです。

 一方、新型コロナウイルス感染拡大の嵐は、一向に収まらず猛威をふるい続けています。終わりの見えないことに社会不安が募るばかりですが、政府は4月16日に『緊急事態宣言』を全国に拡大して発出しました。一層の危機意識の醸成と、大型連休を前に、感染が広がる大都会からの人の流れを防ぐ狙いもあるとのことでした。
 そして、この宣言を受けての本県の対応ですが、特措法に基づき改めて外出自粛と催物開催の自粛要請がなされました。催物の具体例については、屋内外を問わず複数の人が参加するイベント・パーティー・物産展・式典・講演会・スポーツ行事等として自粛を強く要請しています。何れこの先には、県内での休業要請やそれに伴う補償についても決断がなされるものと認識しているところです。
 さて、本町の現状と対応についてですが、国・県の方針を確認しながら対策本部会議を重ねて開催して具体的な取り組みを決定しています。感染症対策の徹底した啓発や町施設の衛生管理をはじめ、小中学校の休業延長や町施設の休館の決定とそれに伴う告知に努めています。さらには、国・県の実施する様々な支援策への早い対応の準備をしています。また、町内の現状についての情報共有を図りながら、企業や事業所と生活困窮世帯への町独自の支援について検討を急いでいるところです。
 そしてまた、本町には仙南二次医療圏の拠点として重要な役割を担う『みやぎ県南中核病院』の存在があります。地域医療の抱える課題が山積する厳しい環境に晒されていますが、県内での医療崩壊の懸念が広がる影響が心配です。マスクも人手も足りないギリギリな状況にあって、応援体制の整備は急務となっています。命懸けで頑張っている医療関係者の皆様への心からの感謝の念を是非みんなで共有しなければならないと強く受け止めています。
 人口減少と同時に進む少子高齢社会へ向い拍車のかかる現代ですが、地域活力の維持や支えあいの仕組みづくりに関わる最大のテーマは、『人のつながり』を守ることだと考えてきました。今回の新型コロナウイルスのパンデミックが投げかけた指摘の中には、この『人のつながり』を分断されてはならないという隠された内面があるように思えてなりません。この様な時に、全国では感染者の家族や病院スタッフへの偏見や差別などの思いやりのない言動が生じているとの報道がありました。悔しい気持ちが込み上げてきて残念でなりません。
 生命(いのち)の尊重と安全安心な暮らしを守るために、そして社会的に孤立する人々に対して、一人ひとりの存在を認め合うやさしさと包摂が大切にされる社会でなければならないと痛感しています。一日も早い克服を願って止まない毎日です。

                                        2020年4月20日

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