2018年2月18日 町長コラム(広報おおがわら平成30年3月号「桜並木」)

『志を高く持ち続ける』決意

毎年立春の頃に、大河原中学校の伝統行事として立志式が開催されています。

全国に先がけて半世紀を越えて実施されてきましたが、今年も立志生の皆さんの大変立派な姿に、感動で心が震える思いでした。

昔の元服となる年齢を迎え、自分としっかり向き合って、希望を持って将来を考えることは大事なことだと思います。

それは自分を大切にすることにも繋がって、『自覚する』という大人になるための第一歩になることでしょう。

さて町民の皆さんは、アイリスオーヤマの東北創業の地が大河原工場であることをご存知でしょうか。

この会社の大山健太郎社長は、『志を高く持ち続ける経営』が革新成長する生命力に満ちた組織体をつくったと話されています。

そして、『今日の安泰は明日の衰退、これで完成と思ったら終わる』とし、上をめざし続けることの大切さを説いています。

19歳のときに一家の大黒柱の父親をがんで亡くし、8人兄弟の長男だった社長は進学を諦め従業員5人足らずの町工場を継ぐことになったそうです。

その会社を53年かけて成長させ続け総売上高4200億円、従業員1万人超の会社につくり上げたのです。

『志を高く持ち続ける経営』が、生活者目線で物事を考える『ユーザーイン経営』として花開き、売上高1兆円を目指すほどの日本を代表する会社となりました。

14歳の立志生には、大山社長の話しにある『完成された安泰な人』など誰もいるはずもありません。

失敗もするし、試練や悩みを抱えることも当たり前のことです。

しかし、志を高く持ち続けることを忘れなければ、誰もが無限の可能性を持っているに違いないのです。

一時の苦しみやしばしの痛みは大きく成長するためのかがみであり、やがて大きく羽ばたくための踏ん張りなのだということを理解してほしいと願っています。

話は変わりますが、冬季五輪が平昌(ピョンチャン)で開催されています。

スポーツ観戦の醍醐味は、やはり五輪での金メダル獲得だとお考えのかたも多いことと思います。

私は開会前からずっと仙台出身のフィギアスケーター羽生結弦選手に注目してきました。

直前の大怪我を乗り越えて、ぶっつけ本番で望んだ五輪でしたが、見事に日本選手第1号の金メダリストに輝きました。

天性の素質や強い精神力の持ち主というだけで、この日本中を感動させる偉業を成し遂げることができたとは思えません。

『努力は嘘をつく、でも無駄にはならない』などの数々の名言を残しているそうですが、羽生選手をここまで成長させた裏に、『志を高く持ち続ける』ことを忘れなかったことが隠されているのではないでしょうか。

強さには、『志』に繋がる理由があるように見えるのです。

 『高い志を持ち続ける』ことに素質や環境の違いは関係ありません。

自らの強い意志と『何のために、そして誰のために』ということにどう答えを出すのかだけなのだと理解しています。

私も『志』を持ち続けて、町政の発展に向かってひたすら努力を重ねる決意を改めてしたところです。       

2018年2月18日

2018年2月18日

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