2017年9月15日 町長コラム(広報おおがわら平成29年10月号「桜並木」)

~これからの地域医療と仙南夜間初期急患センターの役割~

地域医療の現状が抱える課題は、一層深刻なものとなっていると感じています。

県は、『県民の医療に対する安心と信頼を確保し、良質な医療が適切に提供される医療体制の整備を確保する』ことを理念とし、第7次地域医療計画の策定作業を進めています。

また、本町でも第6次長期総合計画を策定するなかで、『生命(いのち)と安全を守る』ことを政策の柱の一つに掲げ活発な議論がなされている最中です。
 
仙南2次医療圏(仙南2市7町)における最大の課題は、今後の『みやぎ県南中核病院』と『公立刈田綜合病院』の再編・ネットワーク化への対応と、医師と看護師や薬剤師等のコメディカルスタッフの確保であろうと認識するところです。

刈田病院は、大幅に医師数が減少し産婦人科医師もゼロとなり、医療機能の減少が気がかりでなりません。

中核病院もまた、夜間勤務の看護師や病棟業務をこなす薬剤師等の確保が困難となり、一般病床の一部閉鎖を余儀なくされている状況です。

早い段階での中核・刈田病院のさらなる医療機能の分化と集約化が実現し、なお一層の連携強化が図られることが求められています。

そのための議論の場づくりが急がれるところですが、この度の中核病院企業長への下瀬川先生(東北大学元副学長)の就任は、本当に心強い限りです。

今後は、両病院長と企業長に構成市町の首長、さらに県と東北大学等のお力添えもいただいて、より具体的で現実的な改革プランが生まれることを願って止まないところです。

さて、本題の『仙南夜間初期急患センター』の果たす役割ですが、重症患者を対象とする救急医療を担う中核・刈田両院の初期救急にかかる負担の軽減を図ることが最大の目的でした。

9月から、この役割をさらに拡大することを目標として、診療対象者を中学生以上と変更することが決定されたものです。

白石・角田・柴田・の地元医師会と仙南薬剤師会の暖かいご理解とご協力には本当に頭の下がる思いです。

『広報おおがわら・おしらせばん』の9月1日号のトップ記事として、この診療対象者の拡大をお知らせさせていただきましたが、ぜひもう一度その詳細についてのご確認をお願いいたします。

急な熱や腹痛など体の具合が悪いと感じたときなどに、医療機関が診療時間外となる平日夜間に診療を行っております。

また、大きな病院(200床以上)では選定療養費や時間外加算がかかりますが、当センターの利用につきましては請求されることはありません。

中核病院敷地内に開院した当センターの果たす役割は決して小さなものではなく、仙南2市7町が初めて一緒に取り組んだ大切な一歩であると理解しているところです。

住民の皆さんの意識の高まりが、地域医療を守り抜く大きな力となることを信じて、たゆまぬ努力をする覚悟をしたところです。

2017年9月15日

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