ふるさとの夏祭り ~心の豊かさ、そして純情な心~
この夏は記憶にないほどの雨と低温の日が続き、稲作を始め農作物への影響が懸念されるところです。
そんな悪天候にも関わらず、町内各地で数多くの夏祭りが開催されました。残念なことに中止を余儀なくされた地区行事もあって、寂しい思いをされたかたも多かったものと受け止めています。
そんななか、仏教会の「み魂祭り流燈会」が開催されましたが、その案内状に~日本社会本来の心の豊かさを取り戻すために~とありました。
ご先祖に手を合わせ感謝の念を持って純情な心に立ち返るとき、生きているというよりは生命のつながりによって生かされているのです、と教えをいただきました。
各地で実施される盆踊りは、先祖の霊を迎え送るための念仏踊りとして始まった宗教行事ですが、現在は誰もが参加でき先祖への思いを馳せ供養するための踊りとなっています。
子どもたちにとっては、今年も夏休みの大きなイベントだったに違いありません。心の豊かさの実感は確かめようがありませんが、地域交流という地区の目標は充分達成されたものと感じています。
区長さんや役員の皆さんの使命感に支えられている姿には、心から感謝の気持ちでいっぱいです。
親から子へ、祖父母から孫へと伝え続けていく意味は大きく、家族の絆の確認や先祖を敬う純情な心を育む大切な機会となったことでしょう。
本町もいよいよ人口が減少し少子高齢社会を迎え、さらに認知症のかたの増加や核家族化・孤立化にも拍車がかかり、生活の質や生命の尊厳が危ぶまれる現実も生まれています。
地区によっては、伝統行事の開催も困難になりつつある状況も見受けられます。
しかし、そんな時代だからこそ、ふるさとの夏祭りに大いに参加し心の豊かさを感じとってほしいと思うのです。
ここに、これからの社会に最も重要となる、支えあいや助けあいの仕組みづくりのヒントが隠されているように感じられてなりません。
人は皆、楽しく暮らしたい、幸福に生きたい、と願っていますが、そう簡単なことではないようです。
「万人幸福の栞」のなかで丸山敏雄先生は、皆が幸福にたどりつく道を次のように示しています。
「明朗(ほがらか)、愛和(なかよく)、喜働(喜んで働く)の3つであり、今一歩進めてみると、純情(すなお)の1つになります。
ふんわりとやわらかで、何のこだわりも不足もなく、澄みきった張りきった心、これを持ち続けることであります。」と書いています。
心の豊かさの実感と純情な心は、何か相通じるものがあると思えてならない今年の夏でした。