2017年7月20日 町長コラム(広報おおがわら平成29年8月号「桜並木」)

~人口減少対策と地域連携の推進~

仙南地域の人口減少が予測以上の速さで進んでいます。

国立社会保障・人口問題研究所は自治体の将来人口を推計していますが、この予測は政治や経済の予測と比べて著しく精度が高いと言われています。

しかし、仙南地域の人口はこの予測を大きく超えて減少し続けているのです。

2010年の国勢調査では、総人口は18万3679人でしたが、この5年後には17万7238人となり、今年の7月では17万4795人と8884人も減少しています。

いよいよ白石市は3万5千人を、角田市は3万人を割り込みました。

そして、高齢化と言われながら高齢者の数すら減少している自治体が増えています。

また、出産適齢期の若年女性(20~39歳)の人口も著しく減少し、少子化にも拍車がかかっています。

高齢者の減少は、地方経済の最大のキャッシュフローである年金の受給者の減少であり、少子化は働いて納税と消費をする生産年齢人口(15~64歳)の将来にわたる減少につながることを意味する大きな課題です。

この結果として、社会保障をはじめ経済全般に負のインパクトをもたらす極めて深刻な事態を招いているのです。

かくして、岩手県知事や総務大臣を務めた増田寛也氏の言う『地方消滅』が現実の問題として危惧されることになったのです。

そこで、人口減少に歯止めをかける方策として登場したのが地方創生であり、合わせて少子化対策と国の社会保障改革(年金・医療・介護)への対応であったと理解しています。

地方創生も早3年目を迎え、各自治体が5年計画として策定した『まち・ひと・しごと創生総合戦略』などの成果が今まさに問われ始めていると受け止めているところです。

本町では今年度の事業として、まちの中心部に位置する中央公民館を複合化しにぎわい創出の拠点とする施設整備事業と柴田町との連携による白石川堤一目千本桜ブランド化事業(復興対策交付金事業)を進めています。

また、地方創生や復興対策に関連するほかの事業においても、自治体同志が連携し一体的な取り組みとなるよう進められています。

今後も地域の活性化や共通した課題の解決に向けて、財政面からみても地域連携の重要性は一層高まるものと考えています。

例えば、自治体間で重複した利用者が見込まれる施設整備の在り方や、イノシシ駆除等の環境政策で周辺地域からの影響が避けられないものなどについては、あらかじめ広域連携や自治体間連携を想定するべきです。

また、企業誘致や創業支援等のネットワーク形成についても広域的な研究や協議が重要となってくるはずです。

一方、地域医療の抱える課題などについても、将来の二次医療圏内での再編・ネットワーク化の議論と合わせ、場合によっては民間病院も含めた広域的な視点と新たな理解が求められるようなものも数多く生まれてきているのです。

人口減少社会への対応のキーワードは、間違いなく地域連携事業の推進にかかっていると認識するところです。 

2017年7月20日

お問い合わせ先

 総務課


  TEL:0224-53-2111 FAX:0224-53-3818

  お問い合わせフォームはこちら