~桜並木と町民憲章に想いを寄せて~
新年度より、4年数か月ぶりに『さくら並木』を復活させていただくことになりました。
その時々タイムリーなテーマを取り上げてまいりますので、ご講読のほど、切にお願い申し上げます。
町民の皆さまは、一目千本桜のルーツをどれだけご存知なのでしょうか。
樹齢90年を越えるソメイヨシノですが、この桜並木の礎を築いてくれた『高山開治郎氏』の功績は町史に残る一大事業でした。
高山氏は、家庭の不遇により故郷を離れながらも常に大河原に心を砕き、故郷への恩返しの機会を心から願っていました。
そして、苦境を乗り越えて実業家として大成した後、人々の心のよりどころとなるものを残したいとして、二度にわたり合計1200本の桜の苗木を寄贈したのでした。
これが日本のさくらの名所百選に選ばれるまでになった一目千本桜のルーツなのです。
自分と同じように故郷を離れた人々がいつでも帰ってこられるよう、あるいは想いを馳せることができるよう、高山氏にとっての原点である大河原への郷愁の念を絶えず持ち続けてきた結果に他ならないのです。
改めて心からの感謝と敬意を表したいと思います。
そしてもう一つ、町民の皆さまに知っていただきたい想いがあります。それは町民憲章です。
ここに川がある おおらかでやさしい川がある
ここに道がある たくましく未来へ続く道がある
ここに桜が咲く 人々が集い心を通わせる桜が咲く
ふるさとおおがわら いにしえのぬくもりとともに 育てようふれあいの町を
(昭和61年6月1日制定)
こう謳われている文脈のなかに、やはり桜に込めた町民の想いが表現されています。
これまでも、そしてこれからも変わることのない桜との縁は、私たちに心地よさと温もりを感じさせてくれるに違いありません。
今、新たな広域連携観光事業や地方創生関連事業をスタートさせるにあたり、桜並木や町民憲章といった原点に想いを寄せていく大切さを強く感じています。
もうすぐ咲き誇る一目千本桜に勇気をいただきながら、『認めあい、支えあい、活かしあう一歩先行く元気なまちに』向かって遇進してまいる所存です。
町民の皆さまのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。