更新日:2008年3月27日
蛇口をひねれば、いつでも、すきなだけ使える水。
水は、私たちの生活に欠かすことのできない大切な資源です。しかし、わが国の水資源は、昔のように無限に手に入る時代から”限られ、つくられるもの”へと変化してきました。
このページは、私たちが毎日のくらしのなかで、水道のしくみを理解しながら、どうすれば水を上手に、工夫して使えるかをまとめたものです。これからのくらしの手引きとしてご利用いただければ幸いです。
水道事業は独立採算性です
水道事業は、民間の会社と同じように
「独立採算性」で運営されています。水をつくったり、送ったりする費用は、一般行政のように税金ではなく、皆さまからいただく水道料金によって支えられています。
水道は、皆さまのご家庭にきれいな水をたえまなく送りつづけるために、施設の拡張や整備・更新、あるいは日常の運転や管理を行っています。これには多額の費用が必要なため、そのほとんどは国からの借入金でまかなっています。借入金は利息をつけて少しずつ返済しなければなりませんし水道の施設には適切な維持管理が必要です。こうした費用に皆さまからいただいた水道料金があてられているのです。

家庭の水道のしくみ
川などにある自然の水は、そのままでは安心して飲むことができません。水道は、こうした水を安全な水にして皆さまのご家庭までお届けしています。
きれいになった水は地下の配水管を通って家庭に送られます。配水管からご家庭まで引き込まれている給水管と、じゃ口までの器具を「給水装置」といいます。またマンションなどの中高層ビルでは、受水そうのタンクの入口からじゃ口までを「受水そう以下の装置」とよんでいます。
これらの装置は建物の所有者の財産(メータを除く)ですから、その改造や修理の費用は、皆さまの負担になります。大切に管理しましょう。
私たちが1日に使う水の量
私たちは、いったい1日にどれくらいの水を使っているのでしょうか。それぞれの家庭の生活様式によって異なりますが、平均すると1人1日379リットル(4人世帯)の水を使っているようです。この量は、ポリタンクで約19本にもなります。
そのなかでも、多くの比重を占めているのが炊事と洗濯用水で、両方合わせると全体の50%にもなります。お風呂の残り湯を洗濯に再利用するだけでもやく10%の節約になります。
ちょっとした工夫と心がけが、貴重な水の節約に役立ちます。
家庭での水の使われ方
炊事 |
25% |
洗濯 |
25% |
水洗便所 |
21% |
風呂 |
21% |
洗面・その他 |
8% |
水の上手な使い方
私たちは日頃の生活のなかで、水の使い方にあまり関心を払っていないようです。しかし、毎日なにげなく使っている水も、電気やガスと同じように私たちの手で作りだすものです。
この貴重な水を無駄にしないためには、一人ひとりが水を上手に使う習慣を持ち、少しでも節約していくことが大切です。”節約”とは、生活に必要な水を減らすのではなく、「ムダな使い方をしない」ということです。
歯みがきは・・・コップに汲んで!!
コップ3杯程度ですむ歯みがきも、1分間流しっぱなしにすると約6リットルにもなります。家族4人で1日2回、コップ(200cc)みがきですと使う水の量は4.8リットルですみますが、流しっぱなしですと10倍の48リットルもの水が必要になります。
洗濯は・・・ためすすぎで!!
本洗い、脱水のあと洗濯槽に水をため、すすぐと1回当たり約100リットルの水ですみますが、流しすすぎですと2倍以上の水を必要とします。すすぎ効果は、ためすすぎを2回くりかえすと、流しすすぎと同じです。
洗車は・・・バケツ洗いで!!
バケツ洗いならば5杯ですむ洗車も、ホースでの流し洗いでは30杯以上の水が使われます。1カ月2回洗車すると、500リットル以上の水が無駄になります。
風呂は・・・残り湯の再利用を!!
風呂は、小さめの浴槽でも200リットルの水が入ります。残り湯をそのまますてないで、半分ぐらいは、洗濯、掃除、撒き水、洗車などに再利用するようにしましょう。また、浴槽に水を張るときは、入浴時にあふれ出ない程度に水量を調節するようにしましょう。
じゃ口は・・・開け閉めに注意して!!
水を使う時、ちょっとじゃ口の調節に気をつけてください。少しひねっただけでも1分間に6リットルの水が出ます。炊事の時、野菜や果物を洗う時、手を洗う時また、シャワーを利用するときなど、ちょっとした心がけが大切な資源を生みだします。
水道の異常と漏水
水道の異常のいろいろ
- 水が赤っぽい水道工事や断水などで一時的に水道管内の鉄サビが流れ出たものです。しばらく水を出しておくときれいな水になります。
- 水が白っぽい
- ガタガタ音がする
こんなに多い漏水量
漏水は、はじめのうちは、わずかな量でも、次第にその量を増していきます。気づかずにいると、思わぬ高い水道料金となってはね返ってくる一方、貴重な水資源をムダにすることになります。漏水は、
早期発見・早期修理をお願いします。
- じゃ口からポタポタ漏水で、1カ月1m3
- じゃ口から糸状の漏水で、1カ月6m3
- 水洗便所のチョロチョロ漏水で、1カ月20〜40m3
じゃ口をひねるとガタガタと音がすることがあります。これは、流れていた水が急に止まった時など、水道管内の圧力が変わったときにそのショックがじゃ口を振動させるためです。じゃ口のコマやパッキンがいたんでいる時におこりがちですので、パッキンを取り替えてみてください。
水道管内に入った空気がかきまわされて、水のなかに小さな気泡ができたためです。しばらくおくと、澄んだ水になります。
漏水発見法と水道メータ
ちょっと気をつけてみましょう
見た目には、わからない漏水も、簡単な方法で発見できるものです。日頃からちょっとした注意をはらってみましょう。漏水を発見したら、早く修理をしてください。
水道メータで知る方法
家中のじゃ口や水洗タンクのバルブを全部閉めて、水道メータを見てくださいメータの1リットル指針か星形パイロットが動いていれば、どこかで漏水しています。水道メータは、ときどき見る習慣をつけてください。

↑このメータは、123m
3456リットルと読みます。
目や耳で知る方法
次のような時は漏水しています。
- じゃ口や壁に耳をあてると、いつでも「シュー」という水の流れるような音が聞こえる。
- 台所や浴室などの配管してある壁や、はめ板などがいつもぬれている。
- 水道管が埋めてある付近や、水道メータボックスのまわりがいつもぬれている。
- 下水道やマンホールにいつもきれいな水が流れている。
- 受水タンクや高架水そうから水があふれたり、使っていないのにくみ上げポンプのモーターがたびたび動く。