○大河原町民間信仰による石碑等の移設事業補助金交付要綱
令和7年3月21日
告示第62号
本町には、古代日本に起源をたどると考えられる伝統的な民間信仰や自然信仰等を背景とした石碑等が数多く存在している状況にあります。
民間信仰や自然信仰は神道として昔から日本人の農耕や自然と交わり生活に密着した信仰であり、石碑等は地域の神様としてその地域に暮らす人たちの心のよりどころや地域コミュニティを形成する重要なものであったと考えられます。
しかしながら、人口減少、少子高齢化、多様な考えや価値観を持った社会の到来などにより、地域に根付いてきた文化や歴史、その背景となって建てられた道祖神や産土神などの石碑等への愛着も減少している現状にあります。また、石碑等については時間の経過によって適切な維持管理が行えず、倒壊等の危険があると移設等を行いたいなど多様な要望が地域の声として町に届けられている状況にもあります。
地域における人口減少、高齢化が顕著になるなかで自助や共助のシステムも難しくなり、心のよりどころとしてきた石碑等の維持管理もできなくなっている現状があります。
まちづくりは、自助、共助、公助のシステムが働いてこそ前進するものと理解します。そして、公助の力として、このような民間信仰である地域に暮らす人たちの心のよりどころとして形成された石碑等を次世代に継承していくことが必要と考え、本要綱を制定するものです。
(目的)
第1条 この要綱は、地域コミュニティの構築及び強化に、永年大きな役割を担ってきた民間信仰による石碑等(以下「石碑等」という。)の移設に要する経費に対し、民間信仰による石碑等の移設事業補助金(以下「補助金」という。)を予算の範囲内で交付することについて、大河原町補助金等交付規則(平成7年規則第37号。以下「規則」という。)に定めるもののほか、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において石碑等とは、地域の神様としてその地域に暮らす人たちの心のよりどころや地域コミュニティ活性化のために建立されたもので、次に掲げるものをいう。
(1) 道祖神、産土神、鎮守神、お地蔵
(2) その他町長が必要と認めるもの。
(補助対象)
第3条 補助の対象については、地域住民が心のよりどころとして、暮らしの中で長年にわたって守り、受け継いできた石碑等で、次の各号に掲げる要件を満たしているものとする。
(1) 大河原町の区域内に存在しているものであること。
(2) 専ら地域住民が維持及び管理しているものであること。
(3) 老朽化などの理由により危険な状態、若しくは将来危険な状態になるおそれがあるものであること。
2 次に掲げるものについては対象外とする。
(1) 国、県、町の文化財に指定されているもの。
(2) 神社、寺など建造物(鳥居を含む)の移設。
(3) 慰霊碑、忠魂碑など。
(4) その他町長が適当でないと認めるもの。
3 補助金の交付の対象となる事業は、年度内に完了が見込まれるものとする。
(補助対象者)
第4条 第1条に規定する補助金の交付対象者は、大河原町区長等に関する規則(昭和32年規則第12号)第3条第2項で規定する区を単位とした、上記石碑等を管理する自治会等(以下「自治会等」という。)とする。
(補助対象経費)
第5条 対象となる経費は、石碑等の移設に係る以下の経費とする。
(1) 石碑等移設工事
(2) 移設に係る設計監理委託費
(補助金の額)
第6条 補助金の額は、補助対象経費を合算した額とし、3,000,000円を限度とする。
(1) 交付事業費算定調書(見積書の写し)
(2) 位置図
(3) 写真(施行前)
(4) 関係者名簿及び移設の同意書
(5) その他町長が必要と認める書類
(補助金の概算払)
第10条 町長は、必要があると認めた場合は補助金の概算払ができるものとし、自治会等が概算払を請求しようとするときは、民間信仰による石碑等の移設事業補助金概算(精算)払請求書(様式第5号)を町長に提出しなければならない。
(1) 位置図
(2) 写真(施行後)
(3) 契約書の写し
(4) 領収書の写し
(5) その他町長が必要と認める書類
(補助金の請求及び精算)
第13条 補助金交付確定通知を受けた自治会等は、補助金の請求をしようとするときは、民間信仰による石碑等の移設事業補助金交付請求書(様式第8号)を町長に提出しなければならない。
(交付決定の取消し等)
第14条 町長は、補助金の交付を受けたものが、虚偽の申請その他不正な手段により補助金の交付を受けたことが判明した時は、補助金の交付決定を取消し、又は交付した補助金を返還させることができる。
(その他)
第15条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。
附則
この告示は、令和7年4月1日から施行する。