現代は「ストレス社会」といわれ、「こころの問題」を抱えて苦悩する人々の悲惨な出来事が後を絶ちません。だれでも風邪を引くことがあるのと同様に、「こころ」も風邪(やまい)を引くことがあるのです。普通の風邪なら予防法を知っているつもりですが、「こころの風邪」はどうすればいいのか。普通の風邪と同じように、誰にでも分かる予防法があれば良いのですが、そうは単純には行かないのが人の心の健康、「メンタルへルス」ではないでしょうか。
先日、そのメンタルへルスについて、専門家の先生を招き、役場職員対象の研修会を開催しました。
研修の中では、「ストレスに抵抗しようとする過程でこそ、人間は成長し、自分への信頼も勝ち取ることができるもの」と教わり、なるほどと思いました。私はこれまで「ストレス」というものは、感じるのではなく絶えず受けている困りもの、と理解していました。ストレスは減らせるに越したことはありませんが、生きていくうえで、これをすべて避けることはできません。そのなかで「ストレス耐性」をどうやって高めていったらよいのか…。哲学的で多少難しいようにも感じましたが、アルコール依存症など身近な話(?)もあって、職員ともども、大変勉強になりました。
また、「人生の意味を求める」ということについても話がありました。人間の最も根本的な欲求は「何か意味のあることを実現したい」ということだそうです。さらに、「生きがい感」を持つということは、この欲求につながることではあるが、実現したいと思う態度が大切なのであって、生きがい感の有無の問題ではない」とのことでした。
これにうなずきながら、別の感想も持ちました。「楽しく暮らしたい。幸福に生きたい」ということは万人の望みですが、そう簡単に実感したり実現できたりすることではないようです。隣の芝生は青い、との譬(たとえ)の通り、他人との比較はストレスを生み、ともすれば自分を見失いかねません。しかし、そのなかで、自分が生きている価値や意味があるという思い、自分が必要とされているという思い、そして欲求を実現させたい思い、これこそが「生きがい感」なのではないでしょうか。この気持ちを持って生きている人ほど、ストレスに強く、何事にも前向きであるということはいえると思います。何も大きな生きがい感でなくても、細(ささ)やかでも自己満足でない生きがい感であれば、生きる喜びを充分感じることができるはずです(これも少々哲学的かもしれませんが)。
今回の研修で、ストレスを始め「こころの問題」は身近な職場の課題として、しっかり受け止めなければならないと強く感じた次第です。私自身の「生きがい感」は「朗らかに」・「仲よく」・「喜んで働く」日常の生活であり、「すなおな心」を貫き通すことだと考えています。
(11月14日記)